化粧品で肌にかぶれが…
ある日突然、肌が赤くなったり、吹き出物のようなブツブツができたりすることってありますよね。「昨日はいつも通りに過ごしたのに…なんでだろう?」と疑問に思っている方は、最近化粧品を買い替えなかったか思い出してみてください。
もし心当たりがあれば、化粧品が原因で肌かぶれを起こしている可能性があります。
肌かぶれの原因
化粧品による肌かぶれは、化粧品に含まれる成分に肌が反応して起こります。これは接触性皮膚炎といい、どんな人にも起こる可能性があるものです。化粧水や美容液に限らず、香水や洗顔料、リップクリーム、シャンプーなどのケアアイテムもかぶれを起こす要因となります。
もし肌がかぶれたら、その原因がわかるまでは、一旦化粧品の使用をやめることをおすすめします。化粧品が原因だった場合、そのまま使用し続けると色素沈着を起こす原因にもなるので注意しましょう。
アレルゲン
化粧品に含まれるアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす抗原物質)によって肌かぶれを起こすケースがあります。これは、花粉症の人の体内に花粉が入ると、くしゃみをしたり、目が痒くなったりするのと同じ現象です。
アレルゲンとなりうるのは、タンパク質や糖質、脂質、化学物質など。自然界にたくさん存在するうえ、アレルゲンによるアレルギー反応は個人差があるため、原因が化粧品かどうか見極めるのは非常に困難。
赤みやかゆみ、ほてり、腫れなど、人によって症状は異なり、化粧品を使用してすぐに症状がでる場合もあれば、外出して紫外線を浴びることによって症状が現れるケースもあります。
見極めるポイントは、健康状態や季節を問わず急にかぶれ、治ってはまたかぶれるという状態を繰り返していないか。アレルゲンによる肌かぶれは健康状態や季節を問わず生じるため、該当する場合はアレルゲンによる肌かぶれの可能性が高いでしょう。また、化学物質の多い化粧品に切り替えてから肌がかぶれた人も、アレルゲンによる肌かぶれの可能性大です。
対策
肌かぶれの原因がアレルゲンなら、すぐに化粧品の使用を中止してください。刺激の少ない石鹸で付着物をやさしく洗い流し、皮膚科を受診して思い当たるアレルゲンの検査を受けることをおすすめします。アレルゲンが特定できれば、化粧品を購入する前に成分表をチェックする習慣をつけることで肌かぶれを回避できるでしょう。
肌のバリア機能の低下
お肌の一番外側には、外部の刺激をブロックしてくれる「角層」と呼ばれる表皮があります。厚さはわずか0.02mmですが、8層〜10 層の各層細胞が積み重なっている状態です。角層は水分を蓄えるとクッションのような状態になり、摩擦や紫外線などの外部刺激からお肌を守ってくれます。しかし、肌のコンディションが低下して角層に水分を蓄えられなくなったり、保湿ケアが行き届いていなくて角層が乾燥したりするとバリア機能は低下。クッションの役目を果たすバリア機能が低下した肌は刺激をもろに受けるため、化粧品の刺激だけでも炎症や肌かぶれが起こりやすくなってしまうのです。
肌のコンディションは、季節の変わり目、仕事による疲労、人間関係のストレスなど、さまざまな要因に左右されます。
対策
バリア機能が低下しているときは、いつも以上にお肌を優しく扱うことが大切です。洗顔時に肌をゴシゴシ擦っていないか、洗浄力が高いクレンジング用品を使っていないか、見直してみましょう。
バリア機能を低下させないためには、生活習慣を改めることや紫外線ダメージを避けることも大切です。お肌の調子が悪いからといって、色んな化粧品をむやみやたらに試すのはやめましょう。バリア機能が低下している肌は非常にデリケートな状態なので、肌刺激の少ない成分でつくられたコスメを選ぶのがおすすめです。
肌かぶれを避けるにはどうすればいい?
肌かぶれを避けるには、自分の肌の状態を知ったうえで化粧品を選ぶことが大切です。「何のアレルギーをもっているのかわからない」「疲れやストレスで体調を崩しやすい」という方は、次のことに気をつけましょう。
添加物が少ない化粧品を選ぶ
大半の化粧品には、雑菌の繁殖を抑えることで使用期間を長く保てるように「防腐剤」と呼ばれる添加物が配合されています。この防腐剤が刺激となったり、アレルギー反応を引き起こしたりして肌かぶれを起こすケースもあるので注意が必要です。
また、防腐効果のある成分が入っていない天然由来の化粧品は、長期間使用すると雑菌やカビが繁殖しやすい傾向があります。雑菌やカビが繁殖した化粧品を使用するのも肌に良くないので、こちらも注意が必要です。
肌かぶれを避けたい方は、添加物が入っておらず、防腐効果をもつ天然由来の成分が配合された刺激の少ない化粧水を選ぶのがおすすめ。また、雑菌やカビが繁殖しないよう、正しい保管方法を守りながら、なるべく短期間で使い切ることも大切です。
購入前にパッチテストを受ける
新しい化粧品を購入する前にパッチテストを受けて、赤くなったりしみたりしないかチェックしましょう。
購入前にパッチテストを受けられないコスメは、購入後に自宅でパッチテストを行ってから使用するのがおすすめです。洗顔後、入浴後など、肌が清潔な状態のときに行ってください。
はじめは、腕の内側の柔らかい部分に化粧品を少量塗り、30分ほど時間をかけて経過を観察します。翌日になっても、赤くなったりヒリヒリしたりしなければ、最初のパッチテストはクリアです。
腕の次は顔でパッチテストを行います。フェイスライン(顔と首の境目)あたりに化粧品を少しだけ塗り、経過を観察しましょう。もし、かゆみや赤みがでたら水で洗い流し、化粧品を使用するのをやめるのがベターです。
月経後・排卵前に使い始める
朝起きて顔を洗っている際「あれ?肌の調子がいつもと違うかも」と感じたら、月経前だったということはありませんか?黄体ホルモンの分泌が増える月経前は、肌荒れを起こしやすい傾向があります。
そのため、新しい化粧品を試す際は、肌がデリケートな月経前よりも、肌の状態が落ち着いた月経後・排卵前に使い始めるのがおすすめです。
普段から保湿ケアを欠かさない
乾燥しやすい冬はもちろん、春夏秋も保湿ケアは欠かせないものです。日頃から肌を清潔に保ったうえで保湿を行い、肌のうるおいを補いましょう。適度な水分と油分で満たされた肌はバリア機能が高いため、外部の刺激を受けにくく、肌トラブルが起こりにくい傾向があります。
肌を清潔に保つ際、注意したいのは刺激の強い洗顔やクレンジングを避けること。汚れを落とすことも大切ですが、1日に何度も洗顔したり、肌をゴシゴシと擦ったり、洗浄力の強いクレンジングを使用したりするのはNGです。肌が傷ついたり、水分と油分のバランスが崩れたりすると、バリア機能が低下して肌がかぶれやすい状態になってしまいます。