肌に優しいクレンジングの選び方
一日の終わりにクレンジングと洗顔でメイクオフする。何気なく続けている汚れを落とすクレンジングには、通常の洗顔ではできない役割があります。 ここではお肌に優しいクレンジングについて、ご紹介します。

【監修】私が解説します!
天然由来の基礎化粧品を開発しているメーカー「リソウコーポレーション」開発部門の研究員。
健康食品の原料メーカーでもあることから成分・原料開発の実績を活かし、素肌に優しい化粧品の開発を行っています。
クレンジングとは
クレンジングとは、主に「油性の汚れ」を落とすものです。
- メイク汚れ
- 毛穴の詰まり(角栓)
- 黒ずみ
といった洗顔だけでは落ちない汚れや、濃いメイクを落とすのに必要なアイテム。オイルタイプ・クリームタイプ・ウォータータイプ・シートタイプなどのクレンジングがあります。
クレンジングは洗顔の前に行うのが基本ですが、最近では手間を省く目的でクレンジングと洗顔がセットになったものも。しかし、肌に優しいクレンジングのためには、クレンジングと洗顔とでは用途が違うことを知っておく必要があります。
洗顔料との違いとは?
クレンジングが油性の汚れを落とすものなら、洗顔は水性の汚れを落とすもの、と言うことができます。
- 新陳代謝で上がってきた古い角質層
- 余分な皮脂
- 空気中のホコリ
などが洗顔で落とせるものとして挙げられます。これらのものは洗顔でしっかり落とすことができなければ、いつしか毛穴の詰まりとなり、クレンジングで落とす必要がでてきます。
肌への刺激の強さではなく、落とす汚れの質が違うということを覚えておきましょう。
クレンジングの主な成分
ほとんどのクレンジングは、油と界面活性剤が使用されています。
水では落ちない油性の汚れは、クレンジングに含まれる油分でなじませて浮かすことができます。浮いた汚れを水で洗い流せればいいのですが、水分となじまない油汚れは洗っても洗ってもヌルヌルのまま残ってしまうのがほとんど。親水性と親油性をもつ界面活性剤を入れて乳化させることで、水で洗い流せるようになるのです。
クレンジングの種類
毎日の肌の汚れをクリアにするクレンジングには、どのような種類があるのでしょうか。
クレンジングオイル
他のクレンジングに比べて、油分や界面活性剤の含有量が最も多いクレンジングです。皮脂汚れの洗浄力が高く、毛穴の皮脂汚れや角栓までクリアできるものも。オイリー肌やパーティーメイクのような濃いメイクをしたときに使うと良いでしょう。ただし気をつけないといけないのがまつエクをしている人。エクステに使われる接着剤(クルー)の成分が油分なので、オイルクレンジングを使うとまつエクのクルーを分解してしまいます。早い人だと数日でまつエクが取れてしまうことがあるそう。そんな悩み解消のために、石油系界面活性剤不使用のクレンジングオイルも発売されています。
クレンジングクリーム
クレンジングクリームの成分は油分をベースとした保湿成分で、メイクを落としながら保湿してくれるメリットがあります。オイルクレンジングと比べるとクレンジング力は弱いのですが、テクスチャーに厚みがあるので摩擦はオイルと比べると少なく、肌に与える負担は軽めと言えるでしょう。
また、クレンジングオイルと同様にまつエクには不向きですが、保湿成力の高さや摩擦力の少なさは捨てがたいものです。目元はオイルフリーのクレンジングで落とし、その他はクレンジングクリームを使うのが良いでしょう。
その他のクレンジング
- クレンジングミルク
クレンジングオイルやクリームと比べてもやわらかなテクスチャーで、保湿成分を多く含んだ商品が主流です。肌のうるおい成分を残しながらメイクをしっかり落とすので、敏感肌の人でも使いやすいアイテムと言えます。保湿成分が洗顔後の肌にヴェールのように広がる、しっとりとした質感が魅力です。 - クレンジングジェル
ジェル状のクレンジング。クレンジングオイルに比べると洗浄力は弱いのですが、オイルよりもったりとした質感で肌への摩擦を抑えてくれます。油性ジェル・水性ジェル・オイルイン水性ジェルの3タイプがあり、メイクの濃さやまつエク使用の有無などで使い分けると良いでしょう。水性ジェルやオイルイン水性ジェルは、ダブル洗顔のいらないタイプが多いようです。
また新たな流行として、毛穴の汚れが気になる人向けにホットクレンジングジェルが販売。温感マッサージで肌を柔らかくすることで、毛穴の汚れが落ちやすくなります。 - クレンジングバーム
肌にのせる前は固形で、体温でトロトロのオイル状になるクレンジング。オイルとクリームの間のような質感です。固さを出すためにワックス類やポリエチレンなどを配合しています。
肌になじみやすく摩擦が起こりにくいので、マッサージしながらクレンジングもできる便利なアイテムと言えるでしょう。主成分はオイルに類似しているので、メイクオフ機能は高いと言えます。温度による変質を防ぐために、専用のスパチュラを使いましょう。 - クレンジングウォーター
化粧水のようなテクスチャーのクレンジングです。コットンにたっぷりクレンジングを含ませて肌にのせると、数秒でメイクがするっと落ちます。濃いメイクを落としたいとき、クレンジングオイルやクリームの後にダブル洗顔感覚で使う人もいるようです。 - クレンジングシート
クレンジングシートには、オイルインタイプとリキッドタイプの2つがあります。
ウォータープルーフ仕様の濃いメイクには、オイルインタイプが向いています。パーティーの後のメイク落としも簡単ですが、手早く拭こうとするとメイク汚れは落とし切れません。とくにアイメイク部分は、しばらく押さえて浮き上がらせてから拭き取る必要があります。
普段の軽いメイクやお直しならリキッドタイプが良いでしょう。オイルが配合されていないタイプが多く、まつエクにも強く影響はしませんが、拭き方次第では取れやすくなるので注意しましょう。
クレンジングシートはシートを直接肌に当てて拭き取るので、肌への摩擦が一番強く、肌が感じる負担が大きいと言えます。毎日使いはあまりおすすめしません。
【監修】リソウコーポレーションが取り扱っているクレンジング用品
リペアクレンジングオイル
引用元:リソウコーポレーション公式サイト
(https://www.risou.com/product/repairoil.php)
- 200mL(約45日分)
- 税抜3,619円(税込3,980円)
肌への優しさを第一に考えて開発されたリペアクレンジングオイルです。植物由来のオイル成分(ヒマワリ種子油やトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオールなど)が乳化剤として配合されています。また、パーム油から油脂「オレイン酸」に植物油由来の水溶性物質「ポリグリセリン」を掛け合わせた天然由来の界面活性剤「オレイン酸ポリグリセリル」も含有。
リペアクレンジングオイルを肌に馴染ませると、メイクの油分や毛穴の皮脂が乳化。油分や皮脂が水に溶けるため、水ですすぐだけでメイク汚れや皮脂汚れをすっきり洗い流せます。使用後はオイル特有のベタつきもなく、さらっとした洗い上がりです。
リペアクレンジングクリーム
引用元:リソウコーポレーション公式サイト
(https://www.risou.com/product/repaircream.php)
- 150g(約45日分)
- 税抜3,619円(税込3,980円)
肌への優しさを第一に考えて開発されたリペアクレンジングクリーム。まるで美容クリームで洗顔をしているような感覚を味わえる贅沢なスキンケアアイテムです。
植物由来の乳化剤「ジイソステアリン酸ポリグリセリル」のほか、乳化をサポートする「ステアリルアルコール」、うるおいをキープしてくれる「スクワラン」や「グリセリン」などが配合されています。
滑らかな使用感が特長的。するすると伸びるクリームなので、摩擦による肌への刺激を抑えられます。リペアクレンジングオイルよりも配合されている乳化剤が少ないぶん、メイクの油分はやや落ちにくい傾向があります。すっぴんやナチュラルメイクのときはリペアクレンジングクリーム、バッチリメイクのときはリペアクレンジングオイルという風に使い分けると良いでしょう。
肌に優しいクレンジングのポイント
クレンジングだけに頼らない
毛穴の汚れをしっかり落としながら、かつ肌に優しいクレンジング方法は「ダブル洗顔」です。クレンジングだけで終わらせて、その後に化粧水や乳液でケアを終える人もいますが、落ち切らない皮脂汚れが毛穴を防ぎ、吹き出物の原因になります。クレンジングだけでは落とし切れなかった汚れを洗顔で落とし、しっかり毛穴ケアまで行いましょう。
肌質にあったクレンジングで
汚れをしっかり落とす
手間に感じる人もいるでしょうが、落としたい汚れの質が違うアイテムで全ての汚れを落とすのは無理です。ダブル洗顔不要という商品もありますがどうしても汚れが残ってしまい、含まれる成分によっては過剰な乾燥を招くきっかけになるかもしれません。
肌は優しく扱わないといけない
デリケートなもの
人の肌は思いのほか薄いものです。部位によって表皮の厚さは3mmほどありますが、顔、とくに目元などは0.6mmと薄く、刺激に弱いとされています。さらにその中で表皮といわれる部分は厚さ0.2mm、肌を外の刺激から守る角質層は0.02mmしかありません。
こんなにデリケートなお肌を悩みから守るためには、肌質や汚れの状態に応じた適切な汚れ落としが必要です。パッチテストの容量で、自分の肌に合うのか確かめながら使い、少しでも違和感が出たら使用を中止しましょう。
やってはいけないクレンジング
ノーメイクの日は
クレンジングなし
ノーメイクなので、いつもよりは毛穴に油汚れはたまっていないはず、と思いがちかもしれません。しかし四六時中分泌され続ける皮脂もりっぱな油分。お肌を守るための皮脂ですが、放置すれば毛穴を詰まらせる原因になります。ノーメイクだからといってクレンジングを怠るのは、毛穴詰まりをおこしニキビや吹き出物の原因となりかねません。
毎日クレンジングシートだけで
メイクを落としている
クレンジングの中でクレンジングシートは、肌との摩擦が一番多いアイテムです。肌をこすることで角質層を壊し、肌のかさつきを起こす可能性があります。また、アルコール成分を含むクレンジングシートが多いので、使用後は水洗いだけで何もしないでいると乾燥につながることも。正しい使い方をしないと、デメリットの多いアイテムになるかもしれません。
肌をこすりながら
クレンジングしている
クレンジングでこすりすぎは禁物です。肌あれや色素沈着につながり、肌の悩みを増やしかねません。オイル・クリーム・ジェルタイプは中指・薬指の腹を使いながら、軽くマッサージするように洗いましょう。コットンやシートを使うときは、軽く拭き取ることを意識してください。肌の上にしばらく置いて、メイクを浮かせたあと軽く拭くイメージです。
時間をかけて
クレンジングしている
「ちゃんと落ちているのか不明」「マッサージ機能がある」などの理由で、必要以上に長くクレンジングをしていませんか?いくら毛穴の汚れが肌に悪いとはいえ、摩擦は別の意味で肌に悪いものです。クレンジングは配合されている成分で汚れを落とすので、短時間で終えることを意識してください。
適量を守らずに使っている
クレンジングの使用量を守らずに、「高いからもったいない」「今まで使ってたのと同じ量で」と勝手に減らしたりしているなら、今すぐ適量に戻してください(使用説明書をしっかり読みましょう)。多すぎるのは問題にはなりにくいですが、少ないと摩擦が増えて肌の悩みが増えるだけ。肌への負担を抑えるために、適量を守って使いましょう
クレンジング後は
お湯ですすいでいる
お風呂に入りながらクレンジングをする人に、よくあるパターンなのがお湯ですすいでしまうことです。オイル成分を洗い流しながら、必要な皮脂も落として乾燥しやすい肌になります。シャワーの温度は身体にはちょうどいいかもしれませんが、洗顔には熱すぎます。洗顔に向いている水温は、体温より少し低めの35度前後です。
クレンジング後のケアをしない
拭き取りタイプのクレンジングに多いのが、その後の洗顔が不要というものです。軽めのメイクなら良いかもしれませんが、浮き上がらせた汚れを取りきらない状態で放置すれば、再度吸収してしまうだけ。またアルコール成分を配合してさっぱり感を演出しているアイテムもあり、乾燥がひどくなるケースがあります。クレンジング後はきちんと洗顔し、化粧水や乳液で保湿、美容クリームでフタをすること。基本ルールとして押さえておきましょう。
まとめ
クレンジングの種類・用途・優しく落とすポイント、誤った使用法などを紹介しました。
化粧水や乳液などの基礎化粧品と比べてもクレンジングはいろいろな仕様があり、選ぶのが楽しいアイテムと言えます。しかし洗い流すとは言え肌に直接のせるものなので、自分の肌質やメイクの濃さに合ったものを選ぶことが大事。肌に合わなければどんなに高価なクレンジングでも、逆効果になってしまいます。
- 肌質やメイクの濃さに合ったクレンジングを選ぶ
- 使用量や使用方法を守り、毛穴の奥の汚れまでしっかりと浮き上がらせる
- クレンジングのあとはダブル洗顔で残りの汚れも洗い流す
クレンジングの基本3点を押さえて、肌に優しい毎日を過ごしましょう。