化粧品に含まれる
スクワランの効果とその特徴
サメやオリーブなどから抽出した保湿成分である「スクワラン」。国内で製造・販売されている化粧品に多く配合されている、ポピュラーな保湿成分です。ここではスクワランがデリケートな肌へどのような影響を与えるのか解説します。
保湿力・バリア機能に優れたスクワラン
化粧品に含まれる代表的な保湿成分のひとつが、スクワランです。サメの肝油や米、オリーブなどに多く含まれている天然成分。肌なじみが良く、肌に浸透しやすいのが特徴です。スクワランは汗と混ざることで皮脂膜になり、肌を異物からブロックしてくれます。肌の水分保持の働きも持つため、乾燥を防止。またニキビの原因となる菌を殺菌してくれます。肌のバリア機能を高めてくれる心強い化粧品成分です。
スクワランが肌に優しい理由
人の肌にも存在するスクワランは、ベビーオイルにも配合されているほど安全性の高い保湿成分です。1950年代から長い間化粧品に配合されていて、アレルギーの可能性が低いと考えられています。年齢・肌質を問わず使用できため、敏感肌や乾燥肌でもカサカサ・かゆみを防ぐための保護脂として使える成分です。
またスクワランは汗と混ざって皮脂膜となることで、敏感肌や乾燥肌の方にとって人一倍強い刺激となる紫外線から肌を保護。殺菌・沈静作用も持っているため、トラブル肌の原因へ直接アプローチしてくれます。酵素を全身へ届ける力も持っているため、肌の新陳代謝もアップ!肌の外側と内側の両方から保湿力・バリア機能を高めてくれる天然成分です。
スクワランは動物性・植物性の2種類
従来のスクワランは、サメの肝油が材料となっていました。純度の高い化粧品のほとんどがサメ由来の動物性スクワランです。浸透力は高く、滑らかなテクスチャーでベタつきをあまり感じません。
その一方、近年ではサメを捕獲することへの懸念や捕獲量の減少、動物性スクワランの刺激の強さなどさまざまな理由により、オリーブやベニバナ由来の植物性スクワランを選ぶ動きも広がっています。動物性スクワランに含まれる刺激成分・プリスタンが含まれていませんが、動物性スクワランよりも純度が下がることで混ざるオリーブやベニバナの成分が肌に影響を与える可能性も。動物性・植物性両方の特徴をおさえたうえで、自分にあったスクワラン配合化粧品を選んでください。
酸化しにくいスクワラン
化粧品に配合されているスクワランとは違う、スクワレンが人間の皮膚を覆う皮脂の中に存在します。刺激が少なく浸透力が高い理想的な保湿成分ですが、化粧品に配合するには「酸化しやすい」という欠点を抱えているスクワレン。酸化してしまうと、肌へダメージを与える原因になってしまいます。
化粧品へ配合できるよう科学的に安定させたのが、スクワランです。皮膚への保湿効果をそのままに、酸化しにくい成分へと生まれ変わったスクワランは、保湿成分として60年以上多くの化粧品に使用されている、安全性の高い成分です。