化粧品に含まれる
レチノール(ビタミンA)の
効果とその特徴
緑黄色野菜やレバーなどに含まれるレチノール。ビタミンAの一種で、皮膚の細胞に働きかけてみずみずしい肌へと近づけてくれます。長年研究を続けてきた資生堂は、2017年に厚労省からレチノールのシワ改善効果を承認されました。
肌の若返りをサポートするレチノールとは
皮膚の粘膜を健康に保ち、免疫力の向上に関わる成分です。肌の生まれ変わりを促すことで、くすみのない正常な肌へと導いてくれます。またヒアルロン酸をはじめとした、肌の水分保持に関わる成分を増やす働きがあり、潤いのあるプルプル肌作りをサポート。ハリ感や弾力が増して、シワを目立たせなくする効果が期待できます。
レチノール化粧品を12週間使用することでシワが改善
シワの原因として加齢や紫外線ダメージなどが挙げられますが、レチノールはどちらのシワにも有効です。2018年に資生堂は、41〜69歳の女性を対象にレチノールを配合したクリームを12週間使用する研究から、レチノールに深く刻まれた首のシワを改善する効果を発見したと発表。若々しい肌を作るのに欠かせない成分であることがわかりました。
レチノールが肌に優しい理由
ビタミンAの仲間として、トレチノインと言う成分があります。レチノールの100倍とも言われるほど高いターンオーバー効果が期待できる成分です。しかし効果が強すぎるあまり、炎症やかゆみなどの副作用のリスクも。国内では医薬品でも承認されていないため、化粧品に使われていません。そのため、似た働きをするレチノールが化粧品に使用されているのです。
レチノールはトレチノインと同じようにターンオーバーを促しますが、穏やかに効いていきます。同時にハリ感を増すヒアルロン酸やコラーゲンと言った成分の生成に関わる、線維芽細胞を刺激。美肌成分の生成が促進されます。体内で美肌成分を作ることで自然な形で健康的な肌を目指せるのが、レチノールの特徴。肌への負担を抑えて、肌の生まれ変わりをサポートしてくれます。
高濃度レチノールには危険性も
コラーゲン・ヒアルロン酸の生成やターンオーバーの促進など、様々な効果をもつレチノール。化粧品に含まれる濃度が高いほど効果は高くなりますが、強すぎると肌への刺激になる可能性も。過去には第一三共ヘルスケアから発売された高濃度レチノール化粧品「ダーマエナジー」が、肌トラブルに関する苦情が多く寄せられたことで販売停止になりました。肌がデリケートな人ほど、高濃度のレチノールはマイナスに作用する可能性が高くなります。「高濃度=肌に良い」と安易に考えず、慎重に選んでください。