化粧品に含まれるカンゾウエキスの効果とその特徴
非常に幅広い効果を持つため、生薬のオールラウンドプレーヤーとも呼ばれるカンゾウ。医薬品として耳にしたことはあっても、美容分野でカンゾウの働きを知っている方は少ないのではないでしょうか。ここでは、カンゾウエキスの特徴や効果を詳しく説明していきます。
カンゾウとは?
カンゾウは漢字で書くと「甘草」。最大で70cm程度の高さに成長する多年草で太く長い根を四方に伸ばします。6月~7月頃から花をつけ始め次いで実もなりますが、生薬として利用されるのは根の部分。乾燥させたものを用います。
生薬の特性として緊張を緩和させる作用を持ち、鎮痛や解毒、咳などに効果を発揮。主成分はショ糖の150倍の甘さを持つグリチルリチン酸で、漢方薬を調和する目的でもさまざまな処方に含まれます。このほか炎症を緩和する作用も大きな特徴で、のどの風邪に用いる市販薬にもカンゾウがしばしば含まれています。
美容成分としてのカンゾウエキス
カンゾウから抽出されたカンゾウエキスは、研究によって美白作用や抗炎症作用、保湿、体脂肪減少などの効果があることがわかってきました。カンゾウエキスに含まれる成分の中でも、グラブリジンやグラブレンという油溶性の有効成分に美白効果があると考えられています。グラブリジンは体脂肪を減らす栄養食品としても注目されていますが、ここで注目したいのはメラニンを生成するチロシナーゼという酵素を抑制し、しみができるのを防ぐと言われている点です。この作用は本サイトでも取り上げている「コウジ酸」と似ているかもしれません。
カンゾウエキスにはリコカルコンAというポリフェノールも含まれており、グラブリジンと同じようにチロシナーゼを抑えるはたらきがあります。
カンゾウエキスを含む化粧品
カンゾウエキスは美白効果をうたう化粧品をはじめ、肌荒れや敏感肌、ニキビ肌用の化粧品に多く含まれています。また頭皮のかゆみや炎症がある人向けのシャンプーや頭皮用ローションでもしばしば見かけるでしょう。カンゾウの主成分であるグリチルリチン酸が持つ抗炎症作用がかゆみにアプローチできるのではと期待されているとうかがえますね。
化粧品を選ぶコツ
最近ではカンゾウエキス原液という表示の商品も多く見られますが、その抽出方法には注意を払いましょう。例えば水抽出では油溶性の美白成分グラブリジンなどが得られません。美白を目指すことが目的の場合は、グラブリジンやリコカルコンAが含まれていることが明記された商品を選びたいですね。