化粧品に含まれる
グルコシルヘスペリジンの効果とその特徴
「グルコシルヘスペリジン」という成分をご存知でしょうか?柑橘類の果実や皮から抽出された成分で、最近は化粧品に含まれることも多くなりました。そんなグルコシルヘスペリジンの特徴や効果についてみていきましょう。

【監修】私が解説します!
天然由来の基礎化粧品を開発しているメーカー「リソウコーポレーション」開発部門の研究員。
健康食品の原料メーカーでもあることから成分・原料開発の実績を活かし、素肌に優しい化粧品の開発を行っています。
別名「ビタミンP」、グルコシルヘスペリジンとは?
「糖転移ヘスペリジン」とも呼ばれるグルコシルヘスペリジンは、ミカンやゆずなどの柑橘類の皮に含まれるポリフェノールの一つ、「ヘスペリジン」を原料に開発された成分です。古くから冬至のゆず湯・漢方薬・医薬品製剤などに活用されてきました。ただヘスピリジンは水に溶けにくいため、そのままの状態では上手く吸収できません。そのため柑橘類をたくさん摂取しても、充分な量のへスペリジンは得られないという欠点がありました。
効率良くヘスペリジンを摂取できるように開発されたグルコシルヘスペリジンの水溶性は、従来の10万倍。体内への吸収性も4倍に上がりました。グルコシルヘスペリジンの開発以降、さまざまな種類の化粧品に配合されています。
グルコシルヘスペリジンが肌に優しい理由
ストレスや加齢などさまざまな原因により引き起こされる、皮膚の血行不良。肌の赤みやくすみに繋がることもあります。グルコシルヘスペリジンを12週間摂取した研究では、摂取前後の血液量や肌の色が改善したことが専門医から評価されました。
日本人だけでなくイギリス人・フランス人も対象に調べたもので、摂取期間が長くなるにつれて赤み・かゆみ・刺激感が弱まる結果に。グルコシルヘスペリジンが血流を促進させて、肌質を改善させたと考えられます。
グルコシルヘスペリジンに肌の調子を整える効果が期待できるのは、ビタミンCと共に毛細血管へ働きかける作用を持っているため。敏感肌に見られる症状・赤みと関係している毛細血管は、肌トラブルが発生した際に正常な肌へ戻すために拡張します。一時的な炎症であれば広がった毛細血管はすぐ元に戻りますが、常に肌トラブルが生じていると広がった状態をキープすることに。血流が盛んになって、肌トラブルはどんどん悪化します。
グルコシルヘスペリジン(ビタミンP)はビタミンCと共に毛細血管の正常化に努める成分です。また毛細血管からの出血や細菌が侵入してくるのを防ぐため、免疫力の向上もサポート。赤み・くすみなどの肌トラブルを防ぐために、体の内側から防御力を高めてくれる成分です。
ビタミンCのリサイクル作用など機能性関与成分として注目
グルコシルヘスペリジンは、ビタミンC濃度をキープしてくれる成分です。美肌や健康の維持に欠かせないビタミンCは自ら作り出すことができないため、毎日の食事から摂取する必要があります。しかし、抗酸化作用や免疫力の向上、ハリ・しみの予防など体の中でさまざまな働きを行なう内に酸化型ビタミンCへ変化。十分な働きができなくなります。
グルコシルヘスペリジンには酸化型ビタミンCを還元して元に戻す働きがあるため、一度使ったビタミンCのリサイクルが可能に!体内で作れない栄養素を効率的に使えるため、ビタミンCが不足する可能性が下がります。
グルコシルヘスペリジンのメリットと効能
ヘスペリジンを改良したグルコシルヘスペリジンですが、肌には3つのメリットがあります。
浸透力の高さ
グルコシルヘスペリジンは角質層への浸透力が高まったため、ヘスペリジンの血流をサポートする効果をより実感しやすくなります。
美肌効果
毛細血管への働きかけによりくすみや乾燥の予防に役立ってくれます。
ハリ・弾力効果
グルコシルヘスペリジンはハリや弾力をもたらす効果も期待できるので、継続的に補うことで透明感のある肌に導いてくれるでしょう。