化粧品に含まれるフラーレンの効果とその特徴
美白や保湿効果、シワやニキビの改善など、エイジングケアの効果があるというフラーレン。具体的にどのような美容効果が期待できるのか、その特徴や作用について紹介します。
フラーレンとは
フラーレンはカーボンでつくられた分子で、ひらたくいってしまえば「炭(すみ)」です。エイジングケアの効果がある成分とされ、近年注目を集めています。その特徴は「抗酸化力」であり、老化を促進する酸化を防ぐ力はビタミンCの約170倍以上ともいわれるほど。美白、保湿、シワやニキビの改善のほか、毛穴の目立ちや肌の赤みなど、幅広い肌トラブルに加えてヘアケアやスカルプケアにも効果が期待できるようです。
どうして酸化が起こるの?
肌の老化の原因である酸化。大きく2つの原因があります。1つ目は紫外線や大気汚染、乾燥といった自然界からの外的な要因。2つ目は喫煙や飲酒、運動不足など、自分自身が原因の内的な要因です。これによって活性酸素の働きが活発化し、酸化によってシミやシワ、皮脂の過剰分泌など、さまざまな肌トラブルを引き起こします。
紫外線予防や禁煙など、生活スタイルを見直すことである程度予防できる要素もありますが、これらに加えてフラーレンの抗酸化成分でカバーできればさらに効果的です。
効果の持続力もフラーレンの強み
高い「抗酸化作用」がフラーレンの特徴ですが、それが持続するというのも強みです。これまでにも抗酸化成分を含んだ化粧品は多くありましたが、その抗酸化成分自体が活性酸素の攻撃を受けて肌細胞の代わりに酸化していたわけです。そうなると抗酸化成分は別の成分に変わってしまうので、効果が長持ちしないという欠点がありました。
ところが、フラーレンは活性酸素を吸着または分解する作用を持っており、フラーレン自体の成分が変わることはないのです。これが抗酸化作用を持続させている秘密です。
フラーレンの安全性とは?
フラーレンは炭素でできているので、肌へのダメージを不安視する人も多いようです。ですが、炭素はもともと人間の身体の10%以上を構成している物質であり、それ自体に毒性はありません。
フラーレンは活性酸素を吸着すると古い角質層と一緒に体外に排出されるので、肌に蓄積することもありません。そのほか、発がん性がないことも確認されています。フラーレンがさまざまな化粧品に使用されるようになったのは2005年のことで、基礎化粧品はもちろん、多くの美容皮膚科の現場で使用されてきましたが、現在まで使用による肌トラブルの報告はないようです。