睡眠が不足している
「睡眠不足は肌に悪い」と聞いたことはありませんか?
寝不足でクマができたり、ニキビやくすみなどで肌のコンディションが悪化したりと、翌朝の顔に大きく影響を及ぼす原因に。
ここでは睡眠不足と肌の関係、肌をいたわるための入眠方法をご紹介します。
なぜ睡眠不足は肌に悪いの?
疲れた体を休める以外にも、睡眠は大切な役割があります。寝ている間に体では、成長ホルモンによって皮膚や筋肉、骨といった体を構成する細胞が新たに作り出され、修復する作業が繰り返し行われています。睡眠不足や眠りの質が悪いと、十分な新陳代謝が行われず肌へ影響が出るのです。
具体的に体の中ではどのようなことが起こっているのでしょうか。
成長ホルモンが減って肌が生まれ変わらない
成長ホルモンとは、体全体の代謝を促すホルモンです。肌に関するはたらきで言えば、コラーゲン・たんぱく質の合成やターンオーバーに大きく関わっています。
成長ホルモンが最も多く分泌される時間帯は睡眠中。とくに眠り始めの3時間前後が最も多く分泌され、細胞分裂と皮膚が再生するターンオーバーが活発に行われています。ですが睡眠不足だと成長ホルモンは分泌されず、新しい細胞が生み出されません。
健康な肌であれば、28日周期で新しい肌に生まれ変わるもの。睡眠不足になると成長ホルモンが減ってターンオーバーの周期が乱れ、古い角質が残ったまま肌荒れやカサつくなどの乾燥を引き起こしやすくなります。年齢を重ねると成長ホルモンは減っていくため、質の良い睡眠をとるようにしましょう。
保湿成分を作る繊維芽細胞のはたらきが低下する
「繊維芽細胞」とは、皮膚の真皮にあるコラーゲン・を作り出す細胞です。活発に働いている状態の肌はハリや弾力があり、水分を保持してうるおいのある状態を保っています。ですが睡眠不足で成長ホルモンの分泌が減ると繊維芽細胞のはたらきも鈍くなり、コラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンといった保湿成分が作られる量も減っていくのです。
紫外線や乾燥でコラーゲン繊維が破壊され、年齢を重ねることでも繊維芽細胞のはたらきは低下します。質の良い睡眠と一緒に保湿ケアもかかせません。
睡眠不足には睡眠ホルモンのメラトニンとセロトニンを増やす
成長ホルモンの分泌を増やすためには、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌を増やしましょう。眠気を感じるのは、メラトニンのはたらきによるもの。夜になって周りが暗くなると、脳深部の「松果体」という部位から自然に分泌され睡眠を促し、朝に近づくと量が減っていきます。
メロトニンを増やすには、日中でセロトニンと呼ばれるホルモンを分泌させることが大切です。メロトニンのもとになるホルモンで、光の刺激で作り出されるため朝に太陽の光を20~30分ほど浴びると良いでしょう。直接日に当たらなくても、カーテンを開けて光を取り込むだけでも大丈夫です。
昼にメロトニン、夜にセロトニンが増える良い循環ができれば睡眠が自然と促されて、成長ホルモンの分泌も促進されるでしょう。
肌をいたわる快適な睡眠方法
睡眠不足といっても長く寝たほうがスッキリする方、ショートスリーパーの方など、人によってベストな睡眠時間は異なります。また年齢や季節の日の長さによっても変わるため、時間にこだわる必要はありません。
大切なのは「睡眠の質」です。睡眠時間が短くても、朝スッキリと目覚めて日中の活動に支障がなければ、睡眠は十分とれているといえます。肌をいたわるために、メラトニンの分泌を増やす睡眠方法をご紹介します。
寝る前の準備から見直す
眠れずに「寝ないといけない」と考えると、プレッシャーに感じて寝つきが悪くなってしまいます。普段やっていることが実は入眠を妨げる可能性も。気持ちを楽にできるよう、寝る前の過ごし方を見直してみましょう。
スマートフォンは寝る前に使用しない
ブルーライトの明かりで脳が「昼間」と勘違いし、睡眠ホルモンの「メラトニン」の分泌が抑えられて不眠に繋がります。部屋を暗くしたからOKではなく、寝る前はスマートフォンの使用自体をできるだけ控えましょう。まずは使用時間を減らすところから。
入浴し体を温める
体は睡眠時に自分の体温を下げようとするため、睡眠前に体温を上げるとスムーズに眠れる可能性が高くなります。体が温まると手足の表面から熱を放出する量が増えるので、体温が下がりやすくなるのです。体を温め過ぎないぬるめのお風呂か、足湯だけでも体温が変化するので試してはいかがでしょうか。
布団の上でストレッチをする
疲れた体をほぐし、心地良いと感じる程度の強さでストレッチをしましょう。激しい動きは興奮状態になってしまうのでNG。あくまで体をリラックスさせる程度に留めるのがポイントです。
カフェインは控える
眠気覚ましにコーヒーを飲むように、カフェインには脳を興奮させる働きがあります。起きるために飲むのは良いですが、スムーズな眠りと深い睡眠をとりたい場合睡眠前に飲むのは控えましょう。
リラックスできるアイテムを使う
緊張をほぐしリラックスした状態だと、入眠しやすくなります。好きな香りのアロマを焚く、ノンカフェインのハーブティーを飲む、ヒーリングミュージックを聞く、本を読むなど、自身に合ったリラックスするアイテムを使うのがベストです。
寝やすい環境に整える
「寝室やベッドは寝る場所」と体に意識づけさせることが大切。そのために寝室やベッドの環境を整え、眠るまでの過ごし方を見直しましょう。
間接照明で部屋を薄暗い状態にする
眠気は睡眠ホルモン「メラトニン」が分泌されることで起こります。蛍光灯の強い光はメラトニンの分泌を抑えてしまうため、睡眠前には間接照明を使って部屋を暗くし、目に入る光の量を減らしましょう。「暗い場所が苦手…」な方は、不安を感じない程度の暗さで大丈夫です。
室内の気温、湿度を快適な温度に設定する
寝室の温度によって睡眠の量や質は変化します。睡眠時はエネルギーを使う量が少なくなるため体温は下がるのですが、室温が高いと眠りが浅くなりやすい傾向に。体から熱を逃がせず、体温が下がりにくくなるためです。寝る前は快適な温度に設定し、睡眠時は室温が下がるようタイマーを設定すると良いでしょう。
清潔な寝具を使用する
シーツやルームウェアをいつ洗濯したか覚えていますか?肌に直接触れる寝具は、汚れたままだと雑菌が繁殖して肌にも影響を及ぼす可能性があります。とくに枕カバーは要注意。顔に触れるものだからこそ、清潔にしましょう。
いずれも「やったけど睡眠不足が解消しない」と、プレッシャーに捉えるのは禁物。すぐに効果は出なくても、リラックスできたら良いな程度でお試しください。