肌に優しい毎日
~メイクはしっかり落としましょう~
昼間は自分を美しく演出してくれるメイク。ついつい睡魔に負けて落とさずに寝てしまい、翌朝は最悪だったという経験をもつ女性は少なくないでしょう。
ここでは「なぜメイクを落とさないまま寝ると肌に悪いのか」を詳しく説明します。

【監修】私が解説します!
天然由来の基礎化粧品を開発しているメーカー「リソウコーポレーション」開発部門の研究員。
健康食品の原料メーカーでもあることから成分・原料開発の実績を活かし、素肌に優しい化粧品の開発を行っています。
メイクは肌に負担をかけるもの
メイク商品は肌を美しく見せてくれるもの。とはいえ本来は素肌の状態が一番自然である肌に、ファンデーションやパウダーなどをかぶせている状態です。基本的に「肌の負担になる」ことと認識する必要があります。
ファンデーションと皮脂が混ざると毛穴詰まりの原因となる
メイクのベースになり、肌にしっかりのることが求められるファンデーション。時間が経つにつれ皮脂や空気中の汚れと混ざり、毛穴に詰まりやすくなります。ニキビや肌荒れの原因のひとつ。
一説によると肌に汚れや環境汚染物質が閉じ込められるため、活性酵素が増えるそう。コラーゲンの分解を促進し肌の早期老化につながると言われています。
ファンデーションには毛穴をカバーする効果をうたったものがあり、毛穴をしっかり埋めながら塗ることを推奨しています。これは事前にしっかりと保湿し毛穴を目立ちにくい状態にしているのが大前提。何もケアせずに毛穴を埋めるように塗るのは、汚れを毛穴に押し込めているのも同然です。さらに、それを落とさずに放っておくと肌に良くないことは明白でしょう。
肌をさえぎる膜になり、乾燥させてしまう
時間が経ち皮脂や汚れと混ざったメイクは、肌と空気中の水分をさえぎる膜になります。水分が足りないと感じた肌は皮脂を分泌し続け、気づけばオイリー肌になっている場合も。表面は潤っているように見えても肌の内側は乾燥している、いわゆる「混合肌」の状態なのです。
顔ダニや雑菌の繁殖源となってしまう
古い角質を食べてくれる顔ダニは、メイク汚れをエサに繁殖し続けます。適度な量だと有益なものですが、繁殖しすぎるとかゆみや皮膚炎を起こす原因に。同じく雑菌の繁殖にもつながるので、メイクを落とさないと吹き出物や炎症が起きやすくなります。
化粧品のどの成分が肌に負担なのか
化粧品に含まれる成分のうち、とくに肌に負担を与えるものを調べました。
パラベンに代表される防腐剤は肌荒れの原因
化粧品は品質を長持ちさせるために、防腐剤を配合しています。パラベン(パラオキシ安息香酸エステル)は少量でも抗菌活性のある防腐剤として優秀なものですが、肌への刺激が無いわけではありません。肌荒れやアレルギーの原因とも言われています。パラベンフリー、防腐剤フリーの化粧品を使いましょう。
オイル成分は酸化すると肌の負担になる
化粧品に含まれるオイル成分は、大きく分けて石油由来の鉱物油と植物由来のものがあります。どちらも酸化し皮脂や汚れと混ざると、肌に刺激を与えることに。肌への刺激を長引かせないために、早めのクレンジングが大切です。
香料や着色料の原料によっては、肌への負担が大きい
さまざまな香料や着色料が使われている化粧品。最近は肌への影響を考え、ミネラル成分や天然色素を使用している商品が増えています。しかし全ての人に安全とは限りません。体質によってはアレルギーや炎症の原因になります
メイクをしたまま
寝てしまった時の対処法
「悪いとは知りつつも、ついメイクしたまま寝てしまった」そんな朝には、次のようなお手入れで対処しましょう。
いつもより「優しく」「丁寧に」メイクを落とそう
普段より多めのクレンジング剤で、優しく丁寧に汚れを落とすことをイメージしてください。指の腹や手の平のやわらかい部分で、なでるようにメイク汚れを落としましょう。
いつもよりたっぷり泡で洗顔
しっかりと泡立てた洗顔フォームを肌にのせ、泡を押しながら洗いましょう。泡の弾力で毛穴の汚れを吸い出すイメージです。すすぎは直接シャワーを当てずに、ぬるま湯を手ですくって洗います。洗顔の2倍の時間をかけて、丁寧にすすいでください。
化粧水前のひと手間で保湿効果をアップ
メイクをしたまま寝た朝は、いつもより乾燥がひどくなっています。化粧水の前に肌にお湯やスチーム美顔器などで保湿しながら、血液の巡りを良くしましょう。そのあと化粧水を数回に分けて、普段より多めの量をパッティング。シートマスクで肌の奥まで保湿成分を届けましょう。
最後は乳液とクリームで肌の水分を閉じ込めて、潤いをキープします。